バックセット

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内装工事や建具工事、鍵の交換などで「バックセット」という言葉を聞くことがあります。

この「バックセット」、実は少しややこしい言葉です。

というのも、現場では「錠前の位置を表す寸法」として使われることがある一方で、ドア内部に取り付けられている錠前の部品や機構を指して使われることもあるからです。

同じ「バックセット」という言葉でも、話している内容によって意味が変わることがあります。

今回は、内装・建具の現場で混乱しやすい「バックセット」の2つの意味について、それぞれ分かりやすく解説します。


バックセットには2つの意味がある

まず覚えておきたいのが、バックセットには大きく分けて次の2つの使われ方があるということです。

① 錠前の位置を表す「寸法」

ドアの戸先側から、錠前の中心までの距離を表す言葉として使われます。

「バックセット50mm」「バックセット64mm」または、略してB.S.50mm BS50mmなどと表現されます。

② 錠前の「部品・機構」

ドアの内部に取り付けられ、ラッチやデッドボルトなどを動かす錠前の機構部分を指して使われることがあります。

こちらは、部品そのものについて話しているケースです。

つまり、

「バックセットを測って」

と言われたら寸法の話かもしれませんし、

「バックセットを交換して」

と言われたら、錠前の部品を指している可能性があります。

前後の話から、どちらの意味で使われているのか判断する必要があります。


① 寸法としてのバックセット

まず、一般的によく知られているのが「寸法」としてのバックセットです。

これは、ドアの戸先側の端から、錠前の中心までの距離を表します。

例えば、ドアの端から錠前の中心までが50mmなら、「バックセット50mm」と呼びます。

錠前を交換するときには、この寸法が重要になります。

なぜなら、バックセットが違う錠前を選ぶと、既存のドアに開けられている加工位置と新しい錠前の位置が合わなくなる場合があるからです。

そのため、既存の錠前を交換するときには、現在付いている錠前のバックセットを確認することがあります。


バックセットはどこからどこまで?

寸法としてのバックセットは、基本的にドアの戸先側の端から、錠前の中心までを測ります。

ドアの側面を見ると、ラッチやデッドボルトが出入りする部分に金属製のプレートがあります。

その奥に錠前の機構が入っています。

この錠前の中心位置までの距離がバックセットです。↓の画像の青矢印の距離ですね。

バックセット

製品によって、

  • 50mm
  • 51mm
  • 60mm
  • 64mm
  • 70mm

など、さまざまな寸法があります。

そのため、錠前を交換するときには、現在付いているものと交換品の仕様を確認する必要があります。


② 部品・機構としてのバックセット

もう一つの使い方が、錠前の部品や内部機構を指す場合です。

ドアの中には、レバーハンドルやドアノブを操作したり、鍵を回したりすることで動く錠前の機構が入っています。↓の画像のような感じの物ですね。

バックセット2

その内部には、

  • ラッチ
  • デッドボルト
  • ハンドルの操作を伝える機構
  • シリンダーなどと連動する機構

などがあります。

こうしたドア内部の錠前部分を、「バックセット」と呼びます。

つまり、この場合のバックセットは「何mm」という寸法ではなく、交換する部品そのものを指しています。


部品としてのバックセットは何をするもの?

部品としてのバックセットは、ドアの開閉や施錠に関わる重要な役割を持っています。

例えばレバーハンドルを下げると、ハンドルの動きがバックセット内部の機構に伝わります。

するとラッチが引っ込み、ドアを開けられるようになります。

鍵を回した場合も同様に、その操作が内部の機構に伝わり、デッドボルトなどが動いて施錠・開錠を行います。

簡単にいうと、

ハンドルや鍵を操作する

バックセット内部の機構が動く

ラッチやデッドボルトが動く

ドアが開閉・施錠される

という仕組みです。


シリンダーとは別のもの?

ここも現場では混同しやすいポイントです。

シリンダーとは、鍵を差し込んで回す部分のことです。

一方、バックセットを部品として使う場合は、ドア内部に入っている錠前の機構を指します。

そのため、

シリンダー=鍵を差し込んで操作する部分

バックセット=その操作を受けて内部で動く錠前の機構

というように、役割が違います。

もちろん、製品によって構造や呼び方は異なります。

錠前を交換するときには、シリンダーだけを交換するのか、バックセットを含む錠前本体を交換するのかを確認する必要があります。


「バックセットを交換する」と言われたら?

現場で「バックセットを交換して」と言われた場合、少し注意が必要です。

その言葉だけでは、

寸法の話なのか、部品の話なのか判断できない

からです。

例えば、

「このドア、バックセット何ミリ?」

と言われた場合は、基本的に寸法について聞いていると考えられます。

一方、

「バックセットが壊れたから交換して」

「このバックセットを注文して」

という話であれば、錠前の部品を指している可能性があります。

このように、前後の会話や現場の状況から意味を判断します。

分からない場合は、

「寸法のバックセットですか?それとも錠前の部品のことですか?」

と確認してしまうのが一番確実です。


錠前交換では2つの意味が関係する

実際に錠前を交換するときには、この2つの意味が同時に出てくることがあります。

例えば、既存の錠前が故障して交換することになったとします。

まず、交換する部品を選ぶために既存の錠前のメーカーや型番を確認します。

そのうえで、

「バックセットは何mmか?」

という寸法も確認します。

つまり、

部品としてのバックセットを交換するために、寸法としてのバックセットを確認する

という場面もあるわけです。

ここが「バックセット」という言葉をややこしくしているポイントです。


現場で覚えておきたいポイント

「バックセット」という言葉を聞いたときは、まず寸法なのか、部品なのかを考えると分かりやすくなります。

寸法の場合

「バックセット○mm」というように、数字と一緒に使われることが多いです。

錠前の取り付け位置を確認するときなどに使います。

部品の場合

「バックセットを交換する」「バックセットが壊れた」など、錠前の交換や修理の話の中で使われます。

この場合は、錠前内部の機構や部品を指している可能性があります。


まとめ

バックセットという言葉は、内装・建具・鍵の現場では少し注意が必要な用語です。

主に、

① 錠前の位置を表す「寸法」

② ドア内部に取り付けられる「錠前の部品・機構」

という2つの意味で使われることがあります。

寸法としてのバックセットは、ドアの戸先側の端から錠前の中心までの距離を表します。

一方、部品としてのバックセットは、ラッチやデッドボルトなどを動かす、ドア内部の錠前機構を指して使われることがあります。

そのため、「バックセット」という言葉だけを聞いて判断するのではなく、

「これは寸法の話なのか、それとも部品の話なのか?」

を考えることが大切です。

特に錠前の交換や建具の修理では、寸法と部品の両方を確認する場面があります。

現場で「バックセット」という言葉が出てきたら、前後の話を聞いて、どちらの意味で使われているのか確認してみましょう。


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